2019/03/27(水)「有意性がない」とは

こんな記事が出た
「統計的に有意差がないため、2つのデータには差がない」──こんな結論の導き方は統計の誤用だとする声明が、科学者800人超の署名入りで英科学論文誌「Nature」に3月20日付で掲載された。調査した論文の約半数が「統計的有意性」を誤用しており、科学にとって深刻な損害をもたらしていると警鐘を鳴らす。
「“統計的に有意差なし”もうやめませんか」 Natureに科学者800人超が署名して投稿
物事の真実を見出す科学的な手法は、「仮説を立てて、それを検証する」というプロセスを経て行われる。

その一つのパターンとして、「複数の(観測可能な)パラメータについて、特定の相関関係があるという仮説を立て、それについて統計をとって検証する」という科学的な取り組み方がある。

統計をとった結果、「これはほぼ間違いなく、仮説通りの相関関係があると断定できる」という結論が得られる場合や、「少々怪しい部分もあるけれども、仮説通りの相関関係があると言えそう」という場合や、そして「得られた統計結果からは、仮説が正しいかどうかに関して一切何も言えない(仮説に対してなんらの科学的に意味のあることを見いだせない)」という場合がある。

「得られた統計結果からは、仮説が正しいかどうかに関して一切何も言えない(仮説に対してなんらの科学的に意味のあることを見いだせない)」のパターンが「有意性がない」である。

ちなみに、統計という手法では、「仮説は誤りである」という判断(結論)を出すことはできない。

さて、被爆量が小さいとき(100mSv以下)、放射線被害リスクがどれだけあるかどうかについて、これまでとられた統計からは有意な結果が得られていない。つまり、被爆量が小さいときについて、被爆量と放射線被害リスクとの関係は「科学的には一切何も言えない」のだ。


科学的に何も言えないのに、諦め悪く、被爆量とリスクは比例するという仮説を立てたのが「LNT仮説」である。LNT仮説は何ら検証されていないので、まだ完璧に妄想である。

妄想であるからして、「神様の思し召しで放射線被害が起きる」という言説と、科学的には同じ扱いをせねばならない。なのに、LNT仮説が合理的だとかいうさらなる妄想を積み重ねてる人が山ほどいる。科学者の中にも大勢。

非科学的な妄想がこれほど広がってる状況は大変拙いのだ。

Natureに投稿された署名の主旨はそういう非科学の蔓延に警鐘を鳴らすものだ。

2018/11/21(水)「日韓請求権並びに経済協力協定」に関する文理解釈メモ

日韓請求権並びに経済協力協定(財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定)
第二条

1 両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、<略>完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/A-S40-293_1.pdf
ここで「国民」の意味を検討する。この協定文書において「国民」という言葉は、前文で初出であるが、意味は定義されていない。

日本国における法律上の「国民」の定義は、憲法第10条で「日本国民たる要件は、法律でこれを定める。」としており、法律としては戸籍法によって国民を定義している。戸籍法を見れば明らかなように、「国民」に法人が含まれ得る余地は無い。

日韓請求権並びに経済協力協定の韓国語記述では「国民」は「국민」となっており、韓国においても、この言葉に暗黙のうちに「법인」(法人)が含まれることはない。

さらに、日韓請求権並びに経済協力協定と同時に締結された「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約」においても「国民」、「국민」という用語が用いられており、解釈に相違があった場合に参照すべき英文では、"nationals"となっている。"nationals"という言葉も、その意味に「法人」は含み得ない。

ここで、協定文に戻って
「両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、<略>完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。」
を改めて検討すると、

「財産、権利及び利益の問題」については、「両締約国及びその国民(法人を含む。)」のものについて解決されたものと宣言しており、明確に「法人を含む」としているが、一方、「請求権に関する問題」については、「両締約国及びその国民の間の」としており、文言上法人は含められていない。

従って、徴用工問題のように、韓国国民と日本「法人」との間の請求権問題については、解決されたという宣言は条約上全くなされていない。

“国際間協定の文書において、「国民(法人を含む。)」と一度書いたら、断りがなくても以下全て「法人」を含むのがルールである”という主張は、「日本国とイランとの間の経済及び技術協力協定」のように、「国民(法人を含む。以下同じ。)」と明記している協定文書を反例としてあげることで棄却される。


この協定上、自然人と法人の両方を含む意味で用いられている言葉は、「国民」ではなく、第一条において用いられている「日本人」という言葉である。この言葉は大韓民国に供与する「日本人の役務」という表現で出てくる。この協定の第一議定書の第六条3において、「役務」を行う主体として「日本国の国民及び法人」と言い換えられていることから「日本人」には「国民」と「法人」が含まれていることが確定している。


なお、韓国との条約上、つまり韓国に対しては、「両締約国及びその国民と法人の間の請求権に関する問題」について何ら約束できていなかったことについて、政府はその文理上の不備を知っていたものと思われる

何故なら、国内向け文書である「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定第二条の実施に伴う大韓民国等の財産権に対する措置に関する法律」においては、文言を「国民(法人を含む。以下同じ。)」と摩り替えている。韓国とは条約上約束してないないことを、日本国内向けには約束したかのように日本国民を謀ったのである。
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