2010/07/11(日)選挙予想

投票時間が終わり、投票箱が閉じられた瞬間、まだ一票も開票作業されていないうちから、マスメディア各社から当確が発表され、候補者は勝利宣言する。この「当確」判断は主として出口調査の結果を基になされているようだ。

母数が大きい事象の統計分析については、母数に対するサンプリング数の割合がとても小さくても十分精度の高い分析ができる。過去のデータから予想と開票結果の誤差や、地域傾向なども掴めているようだから、開票0%で「当確」は本当に確実にできるのだろう。

さて、開票結果なしでも出口調査だけからこれほど高い精度で予想できてしまうのだから、選挙事前調査結果からの予想の精度もそれほど遜色ないに違いない。もう、選挙事前調査結果からの予想を見せつけられた段階で、結果の大勢は判断は十分な確度でできてしまうはずだ。その段階では、まだ選挙戦が続いているはずの候補者には残酷極まりない話だ。

実際の投票行動についてのブレ要因は主として天気ではないだろうか。そのうち、穏やかな晴れの場合、投票時間中総量5mmの雨の場合などと典型的な天気毎の予想を出してくるところがあっても不思議ではない。

投票前の「選挙戦」というのがあって、その選挙中に優勢・劣勢があったり、逆転が伝えられたりするのが、かつては不思議で仕方がなかったが、こうした調査と予想が刻刻となされる状況においては、なるほど投票前が戦いで、投票の際には実質的に結果は出てるものなのだとようやく感覚的にも理解するようになった。

選挙の度に、投票行動の意義があるのかという点については悩むし、政治に自分の意見を届ける手段のなさに、絶望感を感じる。民主主義を信じるとしても、選挙という制度を、人々の「十分考えつくした結果の意見」を政治に届ける仕組に繋げる方法を考えなければいけないはずなのだが、未だに何の「マシなシステム」も思い浮かばないままでいる。