2012/10/12(金)独立行政法人日本スポーツ振興センター災害給付制度
そういう「学校内の事故」について、もうちょっと即物的だが、あるいは「大事」な事について書きたくなった。というかちょっと憤慨する話があったので、ここで垂れ流したい。
まずは背景説明
学校内の生徒の事故――もう少し正確な言い回しをすると、児童生徒等の傷病・被災について、その原因である事由が学校の管理下において生じたものについて、医療費用ないしは死亡見舞金が支払われる日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度というのがある。
https://naash.go.jp/anzen/saigai/seido/tabid/76/Default.aspx
「学校の管理下」というのには、「登下校中」も含まれるし、それと、「傷病被災が学校外であっても、その原因が学校内の出来事が主因であるような場合」も含まれる。
……勘の良い人なら気づくであろう。後者は「いじめ」を苦にした自傷などに適用される。実は、この給付制度は当初自殺など「故意によるもの」は対象外であったが、平成19年から自殺も給付の対象になった(但し、高等学校の生徒及び高等専門学校の学生の自殺は給付対象に含まれない)。
気を留めておいて欲しいのは、登下校とは無関係な学校外の場所で、「いじめ」とは無関係な自殺は、給付対象外であるということだ。つまり、自殺したけれども、学校がいじめがあったと認めない場合には、見舞金1400万円は給付されないということだ。(拝金主義的な話で申し訳ない)
また、この給付制度の対象となるような事故・傷病・災害があった時には、報告書を学校が起案して教育委員会に送り、教育委員会がとりまとめて日本スポーツ振興センターに届ける。事故から約2年の間に請求が日本スポーツ振興センターに届かないと、時効になって給付金支払の対象にはならなくなる。
さて、私の聞き及んだ話はここから。なお、伝聞なので不正確なところも多いかと思うし、決して一般化できるような話でもない。
ある事故について、災害共済給付について何の動きもないことに不審を抱いた父母のクレームがきっかけで事は漸く動きはじめたらしい。時効ギリギリの災害共済給付請求が日本スポーツ振興センターにいくつか届いた。
スポーツ振興センターは、死亡事故や重大事故いついては、改めて学校や関係者に聞き取り調査を行うことにしている。そしてある学校への聞き取り調査最中、学校側に「何故こんなぎりぎりまで請求を出さなかったのか?」と尋ねた。その質問は、学校側にとって驚きのものだった。というのも、請求のための報告書は事故後直ちに教育委員会に送っていたからだ。
そこではじめて、教育委員会は災害共済給付請求を大量に溜め込んでいた事を白状したらしい。溜め込んでいた請求のうち、時効ギリギリのものからスポーツ振興センターに送っていたようだ。よくは分からないが、ひょっとして時効になってしまっていた事例も実際にはあるのかも知れない。
その教育委員会の担当課、少人数でやっていたらしい。その担当課の責任者の弁明が酷いのだ。まず、災害共済給付請求を大量に溜め込んでいた理由を、担当者が病気になったからだと言う。一人が病気になったからといって「気づかずに」そんなに貯めこむのはオカシイ。
すると、担当者が以前から溜め込んでいたのだが、それを責任者にずっと隠していて、病欠したことで溜め込んでいたことが明らかになったのだと言う。そんなに溜め込んでいるのに気づかないのって管理責任を全く果たして無いのではないか。
すると、その部署は少人数で、なおかつその病欠した人以外の実働は、聾の人なので、仕事が回らないのだと言う。ちょっと待った。「聾の人なので、仕事が回らない」?聾であることが、仕事が回らない理由になると思ってるのか?
実は、私にその話をしてくれた人も、「聾の人なので、仕事が回らない」のところで丸め込まれてしまっていた。聾の人でも書類作業はできるのだから、病欠の人だけに災害共済給付請求作業を割り振っていた管理にこそ責任があるはずなのに、それには気が回らない様子だった。というか、管理者というものは、そういう仕事の割り振りこそ最も重要な仕事であって、聾であることが不利にならない仕事分担を(動的に)行い、組織全体で効率的に作業をこなして結果を出すように体制を管理しなければならないのだ、という事をいくら説明してもまるで理解してくれなかった(私の憤慨ポイントはここらへん)。
まぁ最後の段落の話は兎も角、某教育委員会は、被災した人への給付金交付について怠慢していたことを、学校の責任にし、病欠の人の責任にし、聾の人の責任にし、と全く反省のない責任転嫁の権化であるということを知ったのだった。
まぁこれぐらいで勘弁してやるか。>某教育委員会